オリンポス12神 (Olympos)
ギリシア語
ラテン語 英語 説    明 イメージ 性別 ゼウスとの関係 星座
ゼウス
(Zeus)
ユピテル
(Jupiter)
ジュピター
(Jupiter)

 父クロノスが率いるティタン神族との戦いに勝ち、神々の王となる。最高神、雷神、絶倫万能の神で、妻ヘラの目を盗んで浮気を繰り返した。ゼウスが愛した女性たちとの間には、多くの子供が産まれた。

 主なゼウスの子供たち
オリンポス12神
アテナアポロンアルテミスアレスヘパイストスディオニュソス
文芸の女神
9人の娘たち:ミューズ
三美神
優雅の女神カリス
英雄 ペルセウスヘラクレス
その他
ミノス王ペルセポネヘレネ

ルーブル美術館
本人

木星

ヘラ
(Hera)
ユノ
(Juno)
ジュノー
(Juno)

 ゼウスの姉であり正妻。神々の女王で婚姻と母性、貞節の女神。嫉妬深い性格で、ゼウスの浮気相手やその子供に苛烈な仕打ちを行った。ローマ神話ではユノ(Juno)と呼ばれ、6月(June)はユノに捧げられた聖なる月とされている。6月の花嫁(June Bride)が幸せになれるのはユノの祝福を受けるためである。

 ヘラはゼウスの愛人になったセメレレトカリストイオアルクメネ達を許さなかった。また、愛人との間に生まれた子供のディオニュソスヘラクレスにも容赦ない仕打ちを行った。

ゼウスの姉で正妻 小惑星

アテナ
(Athena)

 

 

 

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ミネルウァ
(Minerva)
ミネルバ
(Minerva)

 知恵と戦いの女神でアテネの守護神。ゼウスと知恵の女神メティスの間に生まれた。

 兜や(アイギス)を身につけ、長槍を手にしている。その傍らには勝利の女神ニケが付き従っている。

【アテネの守護神】アテネの主導権を巡ってアテナとポセイドンが争った。ポセイドンは人々に泉を贈った。アテナは泉のほとりにオリーブの木を植えた。アテネの人々はアテナを守護神に選んだ。


ナポリ考古学博物館
アポロン
(Apollon)
アポロ
(Apollo)
アポロ
(Apollo)

 ゼウスとレトの子供でアルテミスと双子の兄弟。太陽神ヘリオスと同一視される。トロイの王女カッサンドラや妖精ダフネと逸話がある。

 アポロンは毎日太陽の馬車に乗って東から西へ駆けていた。ある日地上に美しい乙女レウコトエを見つけ夢中になった。アポロンに恋していたクリュティエは悲しみ、一日中アポロンを見つめ、とうとうひまわりになってしまった。

 アポロンの子供で医学の神アスクレピオスはいつもヘビの巻きついたアスクレピオスの杖を持っていた。その杖は病院のシンボルマークになった。

病院遺跡アスクレピオン(トルコのベルガマ)


ヴァチカン美術館
息子 太陽

アフロディテ
(Aphrodite)

 

 

 

 

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ウェヌス
(Venus)
ヴィーナス
(Venus)

 愛と美の女神。クロノスが切り落としたウラノスの男根が海に落ちて白い泡となり、そこからアフロディテが生まれた。 東方の豊穣多産の女神イシュタルと同一とされる女神。彼女の侍女が 三美神

アフロディテが生まれたペトラ・トゥ・ロミウ海岸(キプロス島)

 アフロディテとアレスの子供がエロス(キューピッド)。恋の弓矢をもつ少年の姿で表わされる愛の神。エロスはカオスから生まれたともいわれる。トロイの英雄アイネアスはアフロディテとトロイの王族アンキセスの子供。


アフロディテに迫る牧神パン
アフロディテ像のいろいろ
金星
アレス
(Ares)
マルス
(Mars)
マーズ
(Mars)

 ゼウスとヘラの子供。戦さの神。ギリシア神話では人気がない。アプロディテの恋人。

 ローマ神話ではマルス。ローマを建国したロムルスの父であり、軍神として慕われている。マルスは農耕が始まる季節3月(March)の語源であり、農業の神でもある。

 アレスの子のテレウスはアテネの王女プロクネと結婚した。彼は妻の妹のピロメーラに一目惚れし、彼女をアテネに迎えに行った帰り道に彼女を犯した。そして、ばれないように彼女の舌を切った。 口がきけなくなったピロメーラは、この話をタペストリに織り、プロクネに渡した。プロクネは怒り、息子を殺して料理し、テレウスに食べさせた。食事に満足したテレウスが「息子を呼んで来てくれ」と言うと、プロクネは「あなたのおなかの中にいます」と答えた。料理の中身を知ったテレウスは、姉妹を殺そうと追いかけた。姉妹は神に祈り、神は三人を鳥に変えた。


ヴァチカン美術館
息子 火星
アルテミス
(Artemis)
ディアナ
(Diana)
ダイアナ
(Diana)

 ゼウスとレトの子供で、アポロンと双子の兄弟。狩猟の女神、安産の女神。

【オリオン座】アルテミスは、海の神ポセイドンの息子オリオンを愛した。オリオンは、海でも歩けるギリシアで一番の猟師だった。兄アポロンは、二人の仲を嫌っていた。

 ある日、オリオンはサソリに追われて海の沖合いに逃げた。それを見たアポロンは、「あの遠くに光る丸太を射当ててみよ」と言った。アルテミスは丸太めがけて矢を放った。翌日、矢の刺さったオリオンが浜辺に打ち上げられた。

 愛する人を殺めてしまったアルテミスはひどく悲しんだ。これを見たゼウスは、オリオンを空に上げた。これがオリオン座である。


ルーブル美術館


小惑星

デメテル
(Demeter)

 

 

 

 

 

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ケレス
(Ceres)
セレス
(Ceres)

 豊穣の女神。人間に穀物の栽培を教えた神である。

【四季】ゼウスとデメテルの娘ペルセポネは、突然地上に現れた冥界の神ハデス(デメテルの弟、英語名:プルート)に略奪された。デメテルは嘆き洞窟に閉じこもった。豊穣の女神がいなくなった地上は荒れ、草木は枯れた。

 ゼウスはペルセポネを帰すようハデスに命じた。しかし、彼女は4粒のざくろの実を食べていた。冥界の食物を口にした者は地上に戻れないことになっていた。

 困ったゼウスは、1年の1/3を冥界で、残りの2/3を母と過ごせるようにした。ペルセポネと暮らせる時はデメテルの機嫌がよく、大地は緑におおわれた。冥界に戻る時は悲しみ、雪が降る冬になった。こうして四季ができた。


左:人間に小麦を与えるデメテルと右:ペルセポネ(メトロポリタン美術館)
ゼウスの姉 おとめ座
ヘパイストス
(Hephaistos)
ウルカヌス
(Vulcanus)
ヴァルカン
(Vulcan)

 火山の神、炎と鍛冶の神。工芸の神

 ゼウスとヘラの息子。両足の曲がった醜い奇形児で、ヘラは嫌い、生まれたばかりのわが子を天から海に投げ落とした。彼は、海神テティスエウリュノメに拾われて9年間育てられた。

 ヘラは、彼をオリンポス山に連れ戻し、鍛冶屋の仕事場を作ってやった。彼はここで、ゼウスの雷電やアルテミスの矢、トロイ戦争で活躍したアキレウスの武具を製造した。

 ゼウスがアテナを産む時、痛みに耐えかねて彼に斧で頭を叩き割ってもらった。

息子 19世紀に仮説された惑星
ヘルメス(Hermes)
メルクリウス
(Mercurius)
マーキュリー
(Mercury)

 嘘つき、泥棒の神。神々の伝令役。ゼウスの忠実な部下で、ゼウスの愛人イオを救うためにアルゴスを暗殺したり、ヘラクレスに乳を与えないヘラの寝室に忍び込み、ヘラクレスにぐっすり眠るヘラの乳を吸わせるなど多くの密命を果たしている。

 ゼウスとマイアの子供。羽根の生えた空を飛べる靴をはき、神々の使者として世界を駆ける伝令の神。旅人の安全を守る役目もある。

 ペルセウスがメドウサを退治に行く時、「空を飛べる靴」とメドゥーサの首を切ることができる「鎌形の剣」を貸した。


オリンポス考古学博物館

息子 水星
ポセイドン
(Poseidon)
ネプトゥヌス
(Neptunus)
ネプチューン
(Neptune)

 ゼウスの兄。海の神、泉の守護神。馬との関わりが深く、競馬の守護神としても崇められた。三叉の矛(トリアイナ)を武器とする。トリトン、オリオン、ペガサスなどの子がいる。

 ポセイドンは美しい娘メドゥーサと恋仲になり、アテナの神殿で交わった。そのことを知ったアテナは怒り、メドゥーサを醜い怪物に変えた。彼女はペルセウスに殺されてしまう。

 ポセイドンの英語読みネプチューンは海王星のこと。海王星の最も大きな衛星がトリトン。


海をわたるポセイドン
バルドー美術館 チュニジア
海王星
ヘスティア
(Hestia)
ウェスタ
(Vesta)
ヴェスタ
(Vesta)

 かまどの神、家庭生活の守護神。クロノスレアの娘で、ゼウス、ヘラ、ポセイドーン達と兄妹。夫や子供はなく、アテナやアルテミスとともにギリシャ神話三大処女神の一人。

 彼女は、かまどの神として家の中心におり、そこから動けなかった。そのため、他の神々のように戦いに加わることができず、神話にはあまり登場しない。

 古代ローマではウェスタは火床をつかさどる女神として崇められた。ウェスタに仕える巫女たちをウェスタの処女あるいはウェスタの巫女と呼び、ローマ建国以来フォロ・ロマーノにある「聖なる火」をともし続けてきた。この制度は392年のキリスト教国教化によって廃止された。

ゼウスの姉  

ディオニュソス
(Dionysus)

 

 

 

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バックス
(Bacchus)
バッカス
(Bacchus)

 豊穣とブドウ酒と酩酊の神

 ゼウスとテーバイの王女セメレの子で、唯一人間が親の神。ヘラは、夫の浮気相手のセメレを憎み、ゼウスの真の姿を見て焼死するように仕組んだ。ディオニュソスは焼死したセメレの胎内から取り出され、ゼウスの太ももの中に埋め込まれた。

 ディオニュソスが誕生してもヘラの迫害は続き、逃亡生活を余儀なくされた。その間に葡萄の木を発見し、ワインの製法を見つけた。彼の妻はミノス王の娘アリアドネである。


豹に乗るディオニュソス
ペラ考古学博物館(ギリシア)
息子